熊野本宮大社は和歌山県田辺市本宮町に鎮座する熊野三山の中心社で、全国に約3,000社ある熊野神社の総本社。主祭神は家都美御子大神(けつみこのおおかみ)で、素戔嗚尊の別名とも伝わる。創建は崇神天皇の時代と伝わり、平安・鎌倉時代には「蟻の熊野詣」と称されるほどの上皇・貴族・庶民による大規模な巡礼が繰り返された。旧社地・大斎原(おおゆのはら)には日本最大の鳥居(高さ約34メートル)がそびえ、かつての壮大な社殿の名残をとどめる。八咫烏(三本足のカラス)は熊野の神使として有名で、日本サッカー協会のシンボルマークにも採用されている。
創建は第10代崇神天皇の御代(紀元前後とも伝わる)と伝えられるが、詳細は不明である。社殿は熊野川・音無川・岩田川の合流する中洲「大斎原(おおゆのはら)」に築かれ、長く信仰の中心となった。平安時代中期には宇多法皇が参詣(907年)して以来、上皇・天皇による「熊野御幸」が盛んとなり、白河上皇9回、鳥羽上皇21回、後白河法皇34回、後鳥羽上皇28回と記録されるなど、院政期には皇室祭祀の中核を担った。後白河法皇の34度の参詣は熊野信仰の最盛期を象徴する。平安末期から鎌倉時代にかけては貴族だけでなく庶民も加わり、「蟻の熊野詣」と称される大規模な巡礼が繰り返された。鎌倉時代には源頼朝・北条氏も熊野信仰を篤…