伏見稲荷大社の創建は和銅4年(711年)、秦氏の一族である伊侶具秦公(いろぐのはたのきみ)が稲荷山の三ケ峰に神を祀ったことに始まると伝わる。平安遷都(794年)後は朝廷との結びつきが深まり、延喜式(927年)では名神大社に列せられた。中世には武家や庶民の間にも稲荷信仰が広まり、全国各地に勧請された稲荷社の総本宮として地位を確立した。近世には豊臣秀吉が母の病気平癒を祈願したとも伝わり、朱塗りの鳥居を奉納する慣習もこの時代に隆盛したとされる。明治維新後の神仏分離令(1868年)により、それまで習合していた仏教的要素が排除され、神社としての体裁が整えられた。奥社(奥の院)は稲荷山中腹に位置し、古くか…