宝亀院の創建は寺伝によれば宝亀年間(770-781年)に遡るとされ、高野山内でも最古級の塔頭である。延喜21年(921年)、醍醐天皇は空海に対して「弘法大師」の諡号を贈ったが、その際に空海の御衣(御衣裳)も献上され、以後当院が御衣の管理を担う特別な役割を負うことになったと伝わる。毎年3月21日(旧暦)または3月23日に営まれる「御衣替え(おころもがえ)」では、新調された御衣が奥之院の御廟に奉納され、空海が今も生きて衆生を救うとする信仰の中核儀式となっている。中世から近世にかけて高野山の塔頭として武家・公家の篤い庇護を受け、新西国三十三箇所霊場が制定された際には第6番札所に位置づけられた。明治以…