川中島は千曲川と犀川が合流する平野部に位置し、北信濃の支配権をめぐる戦略的要衝であった。戦国時代、甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信はこの地をめぐって永禄元年(1558年)ごろから永禄7年(1564年)にかけて計五度にわたり合戦を繰り広げた。なかでも永禄4年(1561年)の第四次合戦は最大の激戦とされ、両軍合わせて数千人の死傷者が出たと伝わる。この際、武田方の本陣が置かれた八幡原において信玄と謙信が一騎打ちに及んだとの伝承が後世に広まり、合戦の象徴的な場面として語り継がれてきた。江戸時代以降、八幡原は合戦の故地として人々に意識され、碑や祠が建立された。明治以降は近代的な史跡整備が進み、昭和期に八幡…