實相寺は慶長2年(1597年)の創建と伝わる日蓮宗寺院で、千葉県松戸市の長谷山本土寺の末寺にあたる。開山については『墨田区史』が金蔵院日証上人、『本所區史』『東京名所図会』が日澄上人とし、両説が伝わる。本尊は大曼荼羅と熊谷文殊大菩薩。寺伝によれば、朝倉義景に仕えた熊谷安左衛門という武士が、家伝の法華経の功徳によって一匹の白狐を救ったことから、これを「熊谷稲荷」として祀るようになったという。境内の熊谷稲荷堂は昭和5年(1930年)頃の建立で、伝統的な寺社建築を模したモルタル造の蟇股・唐破風を持つ珍しい鉄筋コンクリート造。東京大空襲の焼失を免れ、昭和25年(1950年)に改修されており、戦前期の都…