滋賀県犬上郡多賀町に鎮座する近江国随一の大社で、「お多賀さん」の愛称で親しまれる。日本の国土と人間を生み出した根源神・伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の二柱を祀り、延命長寿・縁結び・厄除け・子授けの御利益で全国から参拝者を集める。「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お多賀さんはお伊勢の親」と俗謡に歌われるほど、伊勢神宮と一対の信仰対象として古くから崇敬されてきた。これは伊勢神宮の祭神・天照大御神が伊弉諾尊の娘であることに由来する。中世から近世にかけて広く庶民の信仰を集め、特に天正14年(1586年)に豊臣秀吉が母・大政所の快癒を祈願し米一万石を奉納したエピソードが有名。境内には秀吉が奉納したと伝わる「寿命石」、桃山時代の意匠が残る奥書院庭園(国名勝)などが見どころ。近江鉄道多賀大社前駅から徒歩約10分。
多賀大社の創建年代は明らかではないが、和銅5年(712年)成立の『古事記』に伊弉諾大神が「淡海の多賀」に鎮座したと記されており、古代から多賀の地に信仰の場があったとされる。延喜式神名帳(927年)には近江国犬上郡の小社として記載される。中世以降、伊弉諾尊・伊弉冉尊が日本創世の神であることから延命長寿・縁結びの神として広く庶民の信仰を集め、特に「お多賀さん」として親しまれた。
天正14年(1586年)、豊臣秀吉は病に伏した母・大政所の快癒を多賀大社に祈願し、米一万石を奉納したと伝わる。祈願成就して母が回復したことへの感謝として「寿命石」を奉納し、奥書院・庭園の造営を支援した。この奥書院庭園は桃…