熊野大社は『出雲国風土記』(733年完成)にもその名が記される古社で、出雲国一宮として古代より朝廷・武家の崇敬を受けてきた。創建年代は不詳だが、神話時代に遡るとされ、紀州(和歌山県)熊野三山の本源とも言われる古い由緒を持つ。延喜式神名帳には「出雲國意宇郡 熊野坐神社 名神大」として記載され、出雲大社(杵築大社)と並び称される出雲の二大古社の一つとして格式を誇った。古代出雲では、出雲国造が代替わりする際に当社で「火継神事(ひつぎしんじ)」を行うのが慣例で、出雲国造家の即位儀礼の中核を担ってきた。中世には熊野信仰の高まりとともに修験者の往来も増え、源頼朝が武運長久を祈願したとも伝わる。戦国時代には…