常安寺は、明応9年(1500年)頃に鹿沼城主・壬生氏によって創建されたと伝わる曹洞宗の寺院である。壬生氏は戦国時代に下野国鹿沼を拠点とした武将であり、同寺を一族の菩提寺として篤く帰依したとされる。16世紀を通じて壬生氏の庇護のもとで寺勢を保ち、鹿沼城下の精神的・宗教的中心として機能した。天正18年(1590年)の豊臣秀吉による小田原征伐の余波で壬生氏が没落すると、寺の後ろ盾を失ったが、その後も地域の信仰を集めながら法灯を維持し続けたとされる。江戸時代には曹洞宗寺院として地域社会に根ざし、鹿沼の町の菩提寺としての役割を担った。境内の墓地には壬生氏歴代の墓碑が現存しており、戦国期から近世にかけての…