大田市五十猛町に鎮座する五十猛神社は、素盞嗚尊(すさのおのみこと)の御子神・五十猛命(いそたけるのみこと)を主祭神とし、抓津姫命・大屋津姫命を配祀する。『日本書紀』には、素盞嗚尊が新羅から五十猛命らを伴って出雲へ渡ったとする伝承が記され、当地の地名「五十猛」は、五十猛命がこの海岸に上陸したことに由来すると伝わる。五十猛命は木の種を携えて日本中に播き、山々を青々とした森に変えたという神話から、林業・農業を守護する神として崇敬されてきた。境内では正月に「千木さん」と呼ばれる特殊神事が伝わり、飾り物を焼いた火で餅を焼いて食べると病にかからないという言い伝えが残る。