建武2年(1335)の棟札の存在から、稲荷神社(原稲荷)の創建はそれ以前に遡ると考えられている。徳川家康の江戸入府(1590年)に際して三河国から移住した農民がお祀りしたとの伝承もあり、江戸時代初期には町屋村の鎮守として地域に定着していた。正保4年(1647)建立の庚申塔は、阿弥陀三尊来迎図の線刻を持つ全国的にも珍しい石造物として荒川区指定文化財に指定されている。荒川区町屋は江戸時代の農村から染物業・紺屋が盛んになり、明治・大正期には染色工場や各種製造業が集積する地域へと変貌した。稲荷神社は農業・商業・工業と変化し続ける町屋の産業と住民を一貫して守護してきた。南千住の素盞雄神社天王祭では3年に…