玉泉寺は、慶長5年(1600年)頃に創建されたと伝わる曹洞宗の寺院である。柿崎の地に根ざした同寺は、江戸時代を通じて地域の菩提寺として機能してきた。幕末期、下田が日米和親条約(1854年)により開港地となると、同寺は国際外交の舞台へと変貌する。1856年(安政3年)、初代駐日アメリカ総領事タウンゼント・ハリスが境内を日本初のアメリカ領事館として使用し、1857年に江戸へ移るまでの間、日米通商条約締結に向けた外交交渉の拠点となった。さらに同時期にはロシア領事館も境内に設置され、下田が列強との外交の最前線であったことを如実に示している。明治以降、境内にはハリスを顕彰する記念碑が建立され、ハリスが飼…