岩船寺は天平元年(729年)、聖武天皇の勅命により行基が創建したと伝わる。もとは「岩船山高原寺(がんせんざんこうげんじ)」と称し、真言宗系の修験道場として発展した。
平安時代には空海(弘法大師)がこの地を訪れ、阿弥陀如来を彫刻して本尊として奉安したとの伝承もある。また、空海の高弟・実恵(じちえ)や智泉(ちせん)が当寺を基盤として活動したとも伝わる。
現在の三重塔(重要文化財)は鎌倉時代の再建で、初層に四仏(東西南北の如来)を安置する。鎌倉時代、笠置寺・当尾の石仏群と同様に、南都(奈良)の行脚僧・遁世僧が山林修行の拠点として当尾一帯を利用した。彼らが岩壁に刻んだ磨崖仏(まがいぶつ)や路傍の石…